正式名称はYukikko「雪っこ」に決まりました。
「雪っこ」はアマビリス( Phalaenopsis amabilis )の実生変異品種。

アマビリス「雪っこ」の誕生

とっても愛らしいミデイ胡蝶蘭。
より鮮明な白色。
不定期咲、年中花芽を付ける可能性があります。
「雪っこ」は誕生から開花まで、純国産の胡蝶蘭。
可愛い形の花です、花弁がとても丈夫で長く咲き続けます。
2021年3月に種苗登録申請受理 第35305号 海外持ち出し、
無断増殖はお断りします。
「雪んこ」は鈴鹿フラワーと佐野オーキッドが協力して栽培、販売しています。

特徴と管理

開花特性
季節に関係なく花芽を付けます。
花茎を切ってやれば、夏でも花芽が出現。
開花時期調節は花芽の切除で行います。
高温抑制栽培による開花時期調整は出来ません。
常に生殖成長を伴い、生育が遅れるのが欠点です。
1年半以上、作り込めば花茎に枝が生じます。
花の特徴
アマビリス特徴、リップ奥の赤い線が目立たない。(環境により差が出る)
リップ回りの黄色が濃く、印象的。
花弁が厚く、透けて見えない。
上記の相乗効果、白色が鮮明で、明るく、きれいです。
2度咲き
「雪っこ」はとっても花の寿命の長い胡蝶蘭です。
満開の後も先端から蕾を生じ、長く楽しめます。(良い環境では)
置き場所
冬の寒さと夏の猛暑が苦手です。
15~25℃の室内、太陽光70パーセント遮光が理想です。
10℃以下→成長が止まり、長く続くと枯れます。
30℃以上→25℃から少しづつ花もちが悪くなり、30℃を超えると早く花が終わる。
高温環境では咲いても、可愛い円形の花形にならない。
水の与え方
15℃以上の室温、乾いたら十分に給水してください。
10~15℃は乾いたら、僅かに給水し、乾き気味に管理してください。
10℃以下は休眠するので水は必要ありません。
低温環境で、しおれる時は、もったいないけど花を切除して切り花にしてください。
切り花の蘇生
しおれた胡蝶蘭は40~45℃位のお湯(お風呂で良い)で1夜水揚げすれば蘇生します。
胡蝶蘭の切り花は1か月以上持ちます。

栽培記録

高品質、実生鉢花の生産目的で交配を始めました。
祖先は1980年代の台湾出身。
親株は2000年頃の自家実生選抜です。
形の良い苗が得られるのが特徴で使い続けています。
2014年、季節外れの夏に1株開花、黄色いリップが印象的。
この個体は2年程の栽培で、「不定期咲」を確認。
以後5年間、同一組み合わせで交配播種したが、
「雪っこ」のような濃黄リップは2度と現れなかった。
2017年、兄弟株4種と共にメリクロン増殖委託。

2019年6月末、初めての試作苗が40本届きました。

7.5㎝ポットに鉢上げ

フラスコから直に7.5㎝のポットに水苔で植える。

5ヶ月で花芽出現!

フラスコ出しから5ヶ月、もう80%に花芽が出てきた。
通常のアマビリスは8ヶ月は咲かないはずだ。
極端なのはフラスコから3か月で花芽が出ている。
通常は見つけ次第、摘み取るが今回は確認の為、咲かせる。
花芽が早いと、その除去作業の労力も大きい。

2020年1月5日
100パーセント開花した。
隣の同じ日に試作納入された兄弟品種、全く花芽が付いていない。
大きさもその分成長が早い。
本来花芽が成長する前に切除します。
今回は変異を確認するため咲かせることにしました。
異常な花は無く、安心です。
とってもかわいい花です。

これは量産第1ロット300本
フラスコから3か月で花をつけていた。

兄弟株の試作開花を比較した結果。
唯一の不定期咲と黄色の濃さ、花もちの良さ、など良い面。
生育が遅い、増殖率が少ない、などの欠点はあるものの、
皆様に喜ばれるのは、この品種と確信しました。